洗浄負荷とヒューマンエラーをなくす使い捨てのシングルユース設備
シングルユース設備とは
シングルユース設備とは、主に医薬品製造に使われる樹脂製の使い捨てタイプの設備です。生産ごとに新しいものに交換するため、洗浄とそれに伴うバリデーションが不要になり、迅速に生産立ち上げすることができるのが特徴です。これらの設備は使い捨てであるため、ディスポーザブルタイプとも呼ばれます。
シングルユース設備を取り巻く状況
近年、医薬品製造現場や研究機関などのバイオプロセス産業において、使い捨てタイプのシングルユース設備導入が活発化しています。ある調査では、シングルユース設備の世界需要は2024年までに年平均10%以上伸びると予想されています。
シングルユース設備には、バックを始め、コンテナ、フィルター、ミキサー、各種センサなどさまざまな種類があります。これら製品は使い捨てのため新規導入が容易であり、従来のステンレス製設備で必要であった洗浄、バリデーションコスト、さらにヒューマンエラーを削減できるメリットがあります。その一方で、生産ごとに新しいものに取り換えるために、ランニングコストが高くなるのがデメリットです。
シングルユース設備を使った例
シングルユース設備を適用する際には、現在の生産品目や生産スパンなどの状況を鑑みた上で、ステンレス製に代替するメリットが大きいかどうか判断しなければなりません。特に、生産ラインでの使用箇所が多くなるのが移送に関する設備です。バルブに代表される移送設備は、機器各接合部に多く設置されるため、数が多くなりがちであり、その点取り回しのしやすさが重要となります。
例えば、シングルユースバルブでは分解洗浄の必要はありませんが、ステンレス製バルブと同様に、毎回の取り外し/取り付けは当然必要となります。これらの作業は、少数であればそれほど面倒とはなりませんが、バルブのような使用箇所が多いものになれば、手間がかかって作業ミスが増える原因ともなります。そのため、この部分をできるだけ簡便化しなければなりません。
次の動画は、異物混入と粉体暴露を防ぐ目的のために、封じ込めタイプのシングルユース設備を使用しています。これらは、移送用途のためのバック、バルブの使用例であり、シングルユースの特徴である洗浄負荷とヒューマンエラー削減とともに、省力化できるよう設計されています。
シングルユースバック
シングルユースバルブ
シングルユースクランプシステム
このようにシングルユース設備は日々進化し続けています。
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